6月8日に長野県の山岳部顧問を対象に登山研修会を行いました。ねらいは「登山での危険のとらえ方と判断について、事例や協議を通して学ぶ」です。
最初に山岳総合センターが昨年作った「安全登山の考え方」に沿って、安全な高校山岳部の登山のあり方について講義がありました。自分達の力量が、行きたい山の難しさを上回っていることが大切です。そのために日常どのような活動を行うのかがポイントです。
次にO講師により「那須岳雪崩事故報告」がありました。O氏は調査委員会の委員として活動されてきました。現場写真による事故後の調査の説明や調査委員会が出した報告説明で、マスコミ報道だけではわからないことも示されました。
午後はO講師が年間を通して行っている高校山岳部の活動モデルが説明されました。1年を基礎力を付ける春・メイン合宿を行う夏・新体制で様々な活動を行う秋・安全に配慮しながら雪に親しむ冬の4つの期間で組み立てていました。その後、班ごとに日頃の部活動の様子の確認や悩みなどを出し合い、班ごとに発表しました。
次に燕岳合戦尾根を登る山行を例にワークショップを行いました。7月の気温・湿度の高い日に登る中で、行動中にどのような指導をするか。途中で1年生がばててしまい、熱中症のような症状を示した時どうするかというものです。最初に各個人で考えてもらい、次に班で話し合い、発表し合いました。お互いの考えを出し合うことで、新たな気づきにもつながったようです。
最後に応急手当について、テーピングと三角巾を用いて実技を行いました。足首の捻挫に対して、靴の上からの三角巾での固定と、靴を脱がせた場合のテーピングでの手当を行いました。骨折については、腓骨骨折という設定で、膝と足首を固定する方法を行いました。応急手当は繰り返し行わないと忘れてしまいます。当日も三角巾を四つ折り・八つ折りにすることの復習から行いました。
1日ではありましたが、講義・協議・実技と内容の濃い研修会になりました。各校間の活動の交流にもなったようです。ぜひこれからの安全な部活動登山に生かしていただきたいと思います。