ここ大町市では、毎年6月の第一日曜日に針ノ木雪渓にて
「針ノ木岳慎太郎祭」が開催され、本格的な夏山シーズンを迎えます。
今年は6月7日(日)に開催されました。
今回で第58回を数える歴史のある開山祭です。
前日の準備の様子も含めてお伝えします!!
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まずは、前日の様子。
何やら「木」が歩いている?!と思いきや。
神事の祭壇に使う「榊(さかき)」を背負っての入山です。
重量もですが、何せ背が高いので、木々などをよけながら
歩くのも大変です。
こちらは、明日のための看板設置作業。
その他、危険な枝を整備したり、雪のある場所では
雪を切って階段を作ったりしながら進みます。
万が一に備えて、搬送用のボートも荷揚げ。
重量はかなりのものです。
こちらは大沢小屋の少し上から撮影。
残雪期はこちらで幕営をした方もいらっしゃるのでは?
雪どけも進み、すっかり木々が出ていました!
こちらは、雪渓に設置される祭壇の設営です。
先ほど背負ってこられた榊が四隅に置かれて、
明日はここに山の神様が来て下さるはずです。
時折冷たい雨のたたきつける中の作業となりましたが、
手際よく滞りなく準備が完了し、あとは明日を待つばかり。
雨に濡れたサンカヨウに見送られながら、登山道を
後にしました。
幸い、予報は「晴れ」、良いお天気となりますように!
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さて、夜が明けて、慎太郎祭の当日。
願った通りの、快晴の朝となりました!!
まずは、扇沢から大沢小屋、そしてもう少し先の
祭典会場を目指します。
今年も、県内外から多くの皆さんにお越しいただきました!
白い峰々に囲まれた大雪渓で、神事が執り行われました。
今シーズンの無事をお祈りした後は、いざ「記念登山」へ!
お日様に照らされて、歩くとすぐ汗が噴き出してきます。
登山隊を先導するのは、大町登山案内人組合の方。
時折、登り方のアドバイスや山の名前の説明なども
受けながら、目指すは針ノ木峠!!
最後の急登・・・上から「あと少し!」と応援も!
そして・・・峠到着!
ご飯を食べたり、写真を撮ったり、お昼寝したり。
皆さんは、それぞれの時間を楽しんでいました。
雲が増え始めていましたが、峠の遠く向こうには、
槍ヶ岳や薬師岳も待っていてくれました!
景色を楽しんだ後は、名残惜しくも下山。
表面はだいぶ柔らかくなっていましたが、すぐ下は結構固く、
下りは慣れない方には少し怖かったようです。
しかし、しっかりと山の神様が守ってくれたおかげで、
けが人もなく無事に全員が下山することが出来ました。
今シーズンも、どうぞ私たちを見守ってください。
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各地で開山祭も行われ、いよいよ夏山シーズンも開幕!といった風情ですね。
しかしながら、数日前の6月5日(金)、稜線ではなんと数センチの積雪となりました。
開山祭当日(7日)の早朝の気温は、市街地でも6.5度まで下がったそうです。
標高780mでこの気温です!!
この時期の稜線は、天候によってはあっという間に冬に逆戻りするのが怖いところ。
入山される方、情報収集&装備をしっかり整えて、山を楽しんでくださいね!