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所長のひと言(16)「マイペース登高能力テスト」

先週末、銀座NAGANOでのイベントが無事に終わりました。あいにくの雨でしたが、日中の登山相談に40人程、夜のトークイベントにはこれまでセンターの講習に参加してくれた方たちを中心に30人が参加してくれて満席状態でした。参加頂いた皆さん、ありがとうございました。

さて今日の本題は、「マイペース登高能力テスト」。前回お話しした、自分の「体力」を知る方法です。「体力」と言っても色々な「体力」がありますが、「マイペース登高能力テスト」(鹿屋体育大学 山本正嘉教授が開発)で知ることが出来るのは、自分がどの程度のきつさ(強さ)の運動に耐えられるのかということです。これを「メッツ」という単位で表します。

車の運転に例えると、600kmの道のりを6時間で行こうとすると、時速100kmで走る必要がありますが、10時間でいいなら時速60kmでいい。「信州山のグレーディング」の縦軸に相当するのが600kmの道のりで、「メッツ」で表す運動のきつさ(強さ)に相当するのが、車のスピードです。

「信州山のグレーディング」は、縦軸の道のりと、横軸で技術的な難易度を示していましたが、そのルートを登る(走る)には、どの程度のきつさ(スピード)が求められるかは示していませんでした。

mypace

今回、大まかにですが、3つのカテゴリーできつさを示しました。これと、「マイペース登高能力テスト」を使えば、“自分の体力にあった山登り”をすることができます。新しい概念の「メッツ」を指標にするのは、きつい運動に耐える「体力」が無いことが、多発する遭難の背景にあると考えているからです。(詳しい解説をホームページに載せてあります

このテストをするイベントを10月4日(日)に松本市近郊の美ヶ原で行います。「登山体力セルフチェックin 美ヶ原」。当日は山本先生も見えます。美ヶ原に参加してもらいたいですが、同じことは自分の住んでいる近くの山で出来ます。地図で標高差を調べ、マイペースで登った時、どの位の時間がかかったかで、自分の「メッツ」が分かります。これと「信州山のグレーディング」の「メッツ」を比べると、自分の体力に合わせた山選びが出来ます。

孫子の兵法に曰く「彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」。

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