4月25日に発生したネパール大地震でお亡くなりになられた方々に
お悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心より
お見舞いを申し上げます。
大地震発生の際に、エベレストのベースキャンプに滞在されていた
Kさんから、貴重な写真をいただきましたのでご紹介したいと思います。
被害などについてはすでに報道もなされているところですので、
写真の説明と地震当時の状況を中心にお伝えします。
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まずは、地震前に撮影された写真から。
こちらは、ベースキャンプの入り口からテント村を
撮影したものだそうです。
正面に見えるのが、有名なアイスフォール。
徐々に近づいてみると、アイスフォールの険しさが
見て取れます。
写真を下さったKさんです。
この日はお天気もとてもよかったそうです。
こちらは、安全登山・登山成功の祈願の様子。
隊のスタッフとKさん(左から2番目)。
地震の日の前日は、アイスフォールへ一旦登り、
高度順化と登攀トレーニングを行っていたそうです。
クレバスがそこかしこにありますね。
フィックスロープをつけて通過している様子です。
上から見ると、かなりの高度感がありますね。
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そして、4月25日。
その日は天気があまり良くなく、朝から小雪が舞っていたそうです。
低い雲が地上近くまで垂れこめ、山も見えなかったとのこと。
Kさんの隊は、ベースキャンプにとどまっていました。
昼ごろテントの中で、オーバーシューズの調整を
行っていたそのとき・・・
突然、直下型の揺れが襲いました。
3回ほど大きな揺れがあり、地面にたたきつけられるようだったそうです。
そこらじゅうで、何かが崩れるようなゴーというすごい音がして、
Kさんは慌ててテントを飛び出したものの、視界が悪く、山の上で
何が起こっているか・・・何も見えない。
そんな状況で振り返ったとき・・・
「雪崩だ!!」
アイスフォールの反対側から、ものすごい勢いで雪崩が襲ってきました。
とっさに、近くにあった大きな岩の陰に隠れたそうです。
しかし、爆風と雪が次から次へ襲ってきて、とにかく身を隠すのに
必死で、耐え・・・時間がどれくらいたったかわからないほどだったそうです。
自分の上にも雪が積もり、身を隠し続けていたそんなとき、隊のシェルパに
体を起こされました。
見渡すと、先ほどまで平和だったベースキャンプは、一変していました。
テントは叩き潰され、原型がなくなってしまったものも
多くありました。
ベースキャンプのシェルパたちや登山者同士助け合い、
救助活動が行われました。
Kさんが身を隠した岩が、上の写真の左側の岩だそうです。
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ベースキャンプを後にしてから、カトマンズに戻る途中の
村々も、被害は甚大でした。
都市部でも山間部でも、多くの住民が住居をなくし、
また、家があっても余震を恐れて屋外で眠ったり、
簡易の小屋で暮らしているそうです。
こちらは、テント村の様子です。
都市部では建物が残っていても、目に見えて傾いている
ものも多数あり、多くの住民がテントに身を寄せていました。
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地震から一か月半が経過しましたが、未だ現地では
厳しい状況が続いています。
山を愛する世界中の多くの人々にとって、ネパールは
憧れの地でもあります。
被災した地域の一日も早い復興を願うとともに、
微力ながら息の長い支援を続けていきたいと思います。