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テフラは実はおしゃべりだった!(ハラヤマ探偵団・地質学講習)

信州大学の原山智先生を講師に、山の成り立ちを地質の観点からひも解く地質学講座、ハラヤマ探偵団!
今回もたくさんの「探偵団員」の皆さまにお集まりいただき、にぎやかにスタート!
2024年度の5回目・最終回は、「火山噴出物・テフラ」をフォーカス。

初めに、ハラヤマ団長こと原山智先生から、今回のポイントと、流れについて講義がありました。
テフラを調べることで、火山噴火の様式や噴出年代が分かるため、広く気象、地質学や考古学の分野でも活用されています。
最近の例では、御嶽山や草津白根山の噴火直後に火山灰を調べて、水蒸気爆発であることの発表にもつながりました。
物言わぬながら、情報量の多い「おしゃべりな」テフラ。
今回は現地観察と、その後「実習」もあるとか・・・さあ、どんな講座になるのやら?!
講義のあとは、早速、観察地へ出発!

特別な許可地ということで、皆さん、秩序正しく?!雪の中、元気に一列歩行!
(今回、許可をいただきました関係者の皆さま、ありがとうございました!)

原山先生に解説をいただきながら、皆で観察しました!
こちらの観察地では、5つのテフラ層が観察できました。
知らずに通り過ぎたらただの土壁ですが、これが何十万年前に噴火で北アルプスからやってきて、時空を超えて我々がそれを見ている!と思うと、物語を感じずにはいられません。(マニアック?)

現地から戻ると、テフラを使った実習です。
事前に各地で採取されたサンプルを使って、いざ、テフラを観察!!とその前に・・・

こちら、松本地域で採取されたものですが、初めはただの「どろんこ」。
これを、お椀に入れて洗い出し作業を行い、鉱物だけを取り出します。

皆で、一心不乱に土を研ぎます(笑)!

何度も水を変えて研いでいるうちに、だんだんと水が澄んできて・・・

しっかりと乾燥させると、個性豊かな鉱物たちが、隠れていた姿を現しました!
数種類の土を洗って、1日目はここまで。
夜は、有志の方による「ハラ探・餅つき大会」が開催され、つきたてのお餅をいただきました!
準備してくださった皆様、ありがとうございました!めちゃめちゃ美味しかったです~💛

さて、2日目の今日。
まだ、土を洗いきっていない方は、昨日の「わんがけ」作業の続き、終わったら、その取り出した鉱物を観察します。

顕微鏡や、スコープを使って、拡大すると・・・

あの泥に、こんなきれいな鉱物たちが隠れているなんて!!
ちなみに、先生が指さしているのは「黒雲母」を横から見たところ。
実は、ホームセンターにある園芸土の「バーミキュライト」なんですね。

原山先生に、それぞれの特徴などを解説していただきながら、日本各地の色々な場所のテフラを観察することが出来ました!
同じ噴火由来の火山灰だけれど、採取地の違うものを比べたり、まったく異なる噴火のものを見比べたりすると、とても個性が色々あって、楽しかったです。

そして、最後はそれぞれが、心を込めたわんがけ作業で取り出した鉱物を並べて、観察標本を作製しました!

とにかく粒が細かいので、集中力と根気が大事です(笑)。
皆さん、楽しそうに作業に没頭していらっしゃいました!
最後に、まとめと質疑応答タイムで本日の講習会は無事に終了。
2024年度の5回の総まとめとなりました。

今回も、準備からご指導まで熱心にしていただいたハラヤマ団長、本当にありがとうございました!
また、毎回各地から情熱をもって集まってくださる、受講生の皆さま、おつかれさまでした!
来年度もまた、バラエティに富んだ講座を5回実施しますので、ご興味のある方はぜひ、この沼に遊びに来てください!(笑)
※ちなみに、1回目4月19日~20日は、かつて先生が勤務されていたつくばの「産業技術総合研究所」の横にある地質標本館を訪ねます。募集は3月12日頃から開始します!

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