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所長のひと言(35) 「雪山のリスクを考える その1」

中華民国隊の研修が無事に終了しました。冬の八方尾根は手強かったです。
さて、前回紹介した年末年始の遭難事故が増えたことについて考えてみたいと思います。
まずは、事実の確認。12月29日~1月3日までの6日間、長野県では9件・9人の遭難事故が発生しました。前年に比べると5件増。全国でも47件で前年比+27件。長野県の内訳を見ると滑落が半数の5件。

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長野県警は、「好天で登山者が多かったことと、登山道が凍ってスリップしやすかった」とコメントしています。
1月8日に中央アルプス空木岳に登った時、頂上直下はアイゼンが刺さりにくい堅い雪壁でした。暮れからの天気を考えると年末年始、多くの山は、同じような堅い雪面だったと考えられます。
1月22日、八ヶ岳の赤岳に文三郎尾根から登った時、樹林帯を抜けて、夏なら階段のあるところで、危なっかしい登り方をしている30代と覚しき女性を追い越しました。

赤岳2P1110718

聞いてみるとアイゼンを付けたのは初めてで今回は単独登山とのこと。経験の無い人が1人でこれ以上進むと危険だと説得しロープをつけて樹林帯まで下ろしました。

無雪期はだいぶ登って、積雪期の登山をやってみたいと思ったが教えてくれるところがわからなくて初心者向けといわれている八ヶ岳に1人で来たと・・・。登山用品店やガイドの登山教室があること、山岳センターも講習をやっていること、八ヶ岳はアプローチが短く登りやすいが小屋から上は技術的に第一級の冬山だということなどを話しました。

赤岳1P1110719
彼女のチャレンジ精神は尊重するも、この行動はチャレンジというより無謀というものでしょう。あのまま登れば、登りは何とか登れたかもしれませんが下りで滑落してしまうでしょう。年末年始に滑落事故が多発したのは、彼女のような登山者が沢山いたためではないでしょうか。次回はその理由を考えます。

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