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所長のひと言(18)「ストックについて考える」

例年より早い秋雨前線の発生で毎日曇り空。あの暑かった夏はどこにいったのでしょうか。

先日、北アルプス夏山常駐隊の解隊式がありました。7月13日から8月30日までの50日間、31名の隊員が南部は涸沢拠点、北部は後立山の各地に展開していました。今年の7・8月の山岳遭難事故は、108件(前年比+4件)、死者は16名(+5人)。解隊式に行くと常駐隊隊長が私の顔を見るなり、「山岳センターではストックについてどう教えているのか」と聞かれました。ストックの使い方が危なっかしい人が目立ったというのです。確かに今はほとんどの人が2本のストックを持って歩いています。

一般的にストックを使うことのメリットは、①体重を分散させて膝の負担を減らし推進力の助けにもなる。②バランスを保つのに役立つ。③けが人を搬送する時や、ツエルトの支柱として使えるなど。反対にデメリットは、①転倒したとき大きなケガにつながることがある。②上半身や腕が疲れる。③登山道を傷つけてしまう。④いつも使っていると脚筋力やバランス力が衰えるといったところでしょうか。

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センター職員の中でも賛否両方あります。夏山入門コースで五竜岳に登った時、私たちは小屋に置いて頂上へは持って行きませんでしたが、他の登山者の多くは持っていました。
メリットの①②は、脚力の衰えた人には魅力的です。このお陰で行動範囲が拡がる人もいるでしょう。岩場では先端が滑りやすくなります。手を使ってバランスを取る場所では邪魔になります。転ぶと手首が引っ張られます。先端が土をほじくり返すので、登山者が集中するところは道幅が拡がったり深く掘れたりします。

このようなストックの特性を知って賢く使う、というのが正解でしょうか。ちなみに私は昨年の秋まで持っていませんでした。「杖をついてまで山に行くな」と言われたことがあったからです。使ってみると川の渡渉ではバランスをとるのに重宝しましたが普通の登山道は少し邪魔でした。でもメリット③の目的でいつも持ち歩いています。

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「登山体力セルフチェックin美ヶ原」は、6日に地元新聞に載ったらあっという間に定員の50人を越えてあわてて募集を打ち切りました。次回はこの結果を報告します。

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