長野県山岳総合センターは、安全登山の普及・啓発に関する各種事業を行っています

「スノーマントレック」(「ビスタリ山ある記」(36))

遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

1月も半ばを過ぎたのに相変わらず暖かい日が続いてスキー場は前例の無いほどの雪不足です。3日~4日頃にかなりの積雪があって喜んだのも束の間、8日に大雨が降ってすっかり解けてアイスバーンになってしまいました。今シーズンの先行き不透明です。

(少し降ったが山も市内も例年よりかなり少ない降雪。

写真は昨日1月16日)

今年はどこに登ろうか。既に計画を立て始めている方も多いでしょう。

私は、5月から6月の3週間ほどでブータンのスノーマントレックに行こうと計画しています。ブータンは国民総幸福を国の進歩と発展の尺度とするユニークな政治理念を掲げる国で、一度行ってみたいと思っていました。それで昨年の夏に、センター講師の1人から誘われた時は気軽にOKしました。

しかしよく調べてみるとスノーマントレックは大変なルートです。ブータンでのトレッキングは、自然環境保護を大切にする政府によって厳密に管理されていて、ルートも泊まる所も指定されています。1日あたりの費用も決まっていて、案内人がついて荷物はロバやヤクで運んでくれるので、自分は身の回りの物だけを持って歩きます。

ガイドブックを見るといくつものトレッキングルートが整備されています。スノーマントレックはその中で最高難度のルートと紹介されています。ルートの最高地点は5,320m、全長は350kmあまり。これを24日間で踏破します。途中の休養日は3日だけ。1日平均の移動距離は17km。

ルート全体の累積標高差は登り8,600m、下り7,500m。ロバやヤクが歩ける道なので技術的な心配はなさそうですが、問題は体力です。1週間のうち6日間は1日17kmずつの山道を歩いて1日の休養日。これが標高4,000m越えたところで3週間にわたって続きます。誘ってくれた人はまだ50代ですが、誘われた3人は皆60代。いくら体力に自信を持っていても冷静に考えると完走するのは難しいのではないか・・・。

昨年の暮れに4人で話し合いました。その結果、頑張れば完走できるのではないかという期待を振り切って、9日目のLayaという村までにして、ルート中唯一のエスケープルートの谷を下ってトレッキング期間を12日間に短縮することで手を打つことになりました。これなら今から真剣にトレーニングすれば踏破できるのではないか・・。

ということで、どの位歩けるのかやってみました。お客さんのあった正月休みも、新年会が2つあった連休も、暇を見つけては歩いたり山に登ったり、通勤は車でなく徒歩と電車にして、元旦から14日までの2週間。歩いたり走ったりした距離は合計80km。休養日に相当する2日を除いて1日平均では6.6km。かなり頑張ったつもりですがこれではトレーニングはおろか体力確認にもなりません。

出発まで5ヶ月。登山計画の前に生活習慣を変え、トレーニングの計画を立て、実行しなくてはいけない、ということが解りました。

体力を過信して事故を起こす老人パーティーにだけはならないために。

(1月7日は素晴らしい夕焼けでした)


Updated: 2020年1月17日 — 12:48 PM

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