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「夏山常駐隊の激励」(「ビスタリ山ある記(30)」)

梅雨がなかなか明けません。関東・甲信地方は6月7日に梅雨入りでしたから既に1ヶ月半になります。連日の雨と曇り空に心も重くなってしまいます。センターの講習も毎週雨との戦いです。

梅雨空の間隙を縫って7月17・18日、遭対協の夏山常駐隊を激励する登山をしてきました。遭対協というのは、正式には「長野県山岳遭難防止対策協会」といって長野県特有の山岳遭難に対応する仕組みです。山を抱える自治体、警察の救助隊、山小屋、山案内人組合など、登山に関わりのある人たちが協力して遭難の防止活動と救助活動をします。山岳センターは、講習や啓発活動を通して、遭難防止活動に関わっています。夏山常駐隊があるのは、長野県でも特に遭難事故の多い北アルプスだけです。穂高・槍から常念・燕をカバーする南部、裏銀座から後立山をカバーする北部にわかれて、総勢32人の隊員が8月末までの50日間、山小屋に常駐して登山者の指導や相談にあたります。もちろん救助の連絡があれば小屋の人や警察の救助隊員と一緒に駆けつけて救助活動もします。梅雨明けから8月いっぱいの夏山登山シーズンは、北アルプス以外でも登山口での指導と相談が行われます。

私が行ったのは、爺ヶ岳から針ノ木方面を担当する隊員が常駐する冷池山荘。ルートは扇沢から柏原新道を上がって種池山荘経由で冷池山荘まで。翌日は鹿島槍南峰を往復して、赤岩尾根を下山。柏原新道は、沢を横切るところに2カ所雪がありました。

 

 

 

 

 

 

 

例年なら夏山シーズンが始まっている頃ですが、今年はこの天気で登山者もまばら。種池山荘のお花畑はちょうど見頃。

種池名物のピザを食べて出発。爺ヶ岳の中峰あたりはいつもライチョウが見られる場所ですが、この日はいませんでした。小屋の人の話では、今年は雨の日が多くて子育てに失敗しているつがいが多いとのことでした。

 

 

 

翌日は、予想外に雲が高く一面の雲海で、剱や裏銀座、遠くは槍ヶ岳まで見えました。小屋の人は梅雨明け前に登山道整備、2名の常駐隊員は柏原新道を上がってくる中学校の集団登山をサポートするために種池小屋に移動、私たちは鹿島槍南峰往復。

 

 

 

 

 

 

 

ここでも花が一斉に咲き始めていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤岩尾根は白樺平より上で崩壊が進んでいるので通過には注意が必要です。高千穂平を過ぎる辺りからぽつぽつ雨が降り始め、滑りやすくなった階段や石の上に注意しながら下りました。

長かった梅雨ももう直に明けます。青いユニフォームを着た常駐隊員の姿を見たら声をかけてあげてください。でも救助されることはないようにお願いします。

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