7月1日(金)~2日(土)にかけて、野外活動講座「燕岳で学ぶライチョウの生態」が燕岳で行われました。心配された梅雨の天気も初日は好天に恵まれました。
中房温泉登山口からゆっくりと自然観察をしながら登りました。小鳥の鳴き声がするたびに、鳥類専門の堀田講師が次々に解説。時には皆で頭上を見上げて、鳥の姿を探しました。
花や木々については、植物専門の尾関講師がその形態の特徴や、なぜそこに育っているのかなど丁寧に解説。勉強になります。今年はやはり花の咲く時期が早いようです。
久しぶりの槍ヶ岳との再会です。燕山荘に着く頃には、東側からガスが湧いてきましたが、ライチョウ観察には快晴よりも好都合です。コマクサのお花畑はほぼ満開でした。尾関講師によると、コマクサの根は地表近くに張っていくので、花株の近くを踏むと根が傷んでしまうとのことです。地中に1mも根を伸ばすタンポポとは大違いです。
荷物を軽くして、全員で燕岳の山頂に向かいながらライチョウを探しました。20分程登ったところで、参加者のお一人が親子のライチョウを岩陰に見つけ、観察会となりました。ヒナは4羽で、母鳥の真似をしてしきりに高山植物をつついていました。
その後、堀田講師よりライチョウが砂浴びを行った場所やくぼみの解説がありました。燕岳の頂上に登った後、燕山荘に戻る途中で、先程の親子を再度見ることができました。参加者一同大満足。
夕食後、堀田講師による「気候変動とライチョウの生息環境」の講演があり、参加者も質問や意見を出し合いました。
2日目は希望者のみということで、3時半に起床してライチョウを探しに行きました。朝、餌を求めて巣を離れるライチョウが鳴くということなので、皆で耳を澄ませました。風の音にかき消されそうになりながらも、2度鳴き声が聞こえました。残念ながら、姿は見えませんでした。今年は卵がかえるのが早く、オスの縄張り争いもそれに合わせて解消されてしまったので、やや見つけにくくなっているということでした。
朝食後、雨模様になってきたので、安全に下山することを第一として、出発しました。咲いたばかりのハクサンシャクナゲが、途中で我々を見送ってくれました。
今回の講座には、ライチョウサポーターやサポーターになりたいという方も参加していただきました。私たち自身が、ライチョウそのものをまず理解することの必要性を感じた講座でした。