夏山シーズン真っ盛りですね。今年は去年と打って変わって暑い夏になっています。
センターの建物は普段は涼しいのですが、この時期はダメです。冷房設備が無いので昔ながらの扇風機が活躍しています。
(レトロなボタン。NATIONAL製です)
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このところ毎日ヘリが山に向かって飛んでいきます。7月の長野県内の山岳遭難事故は48件と去年より1件少なかったのですが、このままの天気が続くと去年より増えそうな勢いです。長野県警ホームページを見ると、原因では転倒・滑落と病気、山域では槍・穂高、年代では60歳以上が多く例年と同じような傾向ですが、“行動不能”という表現が目に付きます。7月27日~8月4日までの27件中8件で9人。
“行動不能”と書かれた8件の事故
場所 | ”行動不能”の原因 | 性別(年齢) |
槍沢大曲り | 熱中症 | 女性(57歳) |
西穂高岳 | 道迷い | 男性(58歳) |
屏風岩 | 墜落 | 男性(62歳、64歳) |
有明山 | 疲労 | 男性(81歳) |
常念岳 | 疲労 | 男性(66歳) |
白馬乗鞍岳 | 道迷い | 男性(66歳) |
赤岳 | 道迷い | 男性(74歳) |
大天井岳 | 道迷い | 女性(62歳) |
全員が無事救出されています。天候などの詳しい状況はわかりませんが、皆さんはこれを見てどう感じますか。
昨年から、「自分の実力にあった山登り」をしてもらうために、”信州山のグレーディング”を作り、今年は静岡・山梨・新潟にも拡大し、マスコミや登山関係の雑誌にも取り上げられてきていますが、登山者にはまだまだ届いてないことが分かります。
「自分の実力にあった山登り」で事故を起こさないためには、”山のグレーディング”だけでは片手落ちで、”体力のグレーディング”(前回の一言に書いた”マイペース登高能力テスト”で知ることが出来ます)、さらに地図を読んだり体調管理をしたり天候を予測して適切な判断をするなどの技術的な事を加えて、3つをまとめて「事故を起こさない登山のやり方」とでもして”パック”で伝えないと十分ではない、ということを私は感じました。
(今朝の稜線 山岳博物館前より)