先日の土曜日に山岳センターではAvSAR基礎コースが開催されました。
今回の講習会では雪崩に巻き込まれた仲間の生存救出を目的とし、基本技術から捜索の流れを学びます。
参加者の中には一般登山者、滑走者などの他に消防など、お仕事で実際に救助に携わる方の参加もありました。一分一秒を争う雪崩救助の現場では、救助に入る全ての人間が協力しなればなりません。基本手法や用語の共通化や標準化はとても大切です。昨今、雪山登山者や滑走者も増加傾向にあり遭難も増えているので、もっと多くの人に広まってくれると良いですね。
講習会では午前中は机上で雪崩死亡事故と雪崩ビーコンの基礎知識を学びました。ビーコンは種類によって操作方法や信号をキャッチできる距離や精度も異なり、自分のビーコンの特性を理解しなければ使いこなせません。またスマートフォンやスマートウォッチなどの電子機器による電磁干渉や古いビーコンのファームウェアのアップデートの必要性など、操作方法以外にも知っておかなければ思わぬトラブルに繋がるような事も沢山あり、とても勉強になります。
午後は屋外で仲間による捜索の練習を行いました。埋没者の人数やシナリオが複雑になると、混乱してしまい捜索に時間がかかりました。ただ回数を重ねる毎に修正され動きはとても良くなっていきます。ここで重要なのは個々のビーコンのスキルも勿論そうですが、状況に応じて要員を現場に配置し、戦略的に手法を選択できる指揮者が必要だという事です。
今回の受講生が練習を積み、いざ雪崩が起きた時に一人でも多くの命を助けられる存在となってくれると素晴らしいですね。
ただ講習の最後に講師の方も仰っていましたが、「雪崩に遭わない事が一番大事」
今回は事後の事を学びましたが、登山者も滑走者も雪崩に遭わないために、雪崩についてよく知り、きちんと調べ、慎重に行動することが大切だと感じました。
今シーズンも雪崩の事故が起きています。決して他人事だと思わず、気を引き締めて山に入りましょう!
そして楽しく安全に家まで帰りましょう!!