先々週は、初めての日帰り冬山登山、先週は、日本雪崩ネットワーク セイフティーキャンプ、今週末は、初めての冬山テント泊、と今月来月は冬山を安全に楽しむための講習会が目白押し。
ですが、冬の山岳地帯に入る方の中には、職場が山岳地帯だからという方もいらっしゃいます。
電力供給というお仕事もその一つ。先週は、中部電力株式会社の方々が「冬山対応訓練」を実施されました。この周辺の地域には標高1700mの山岳エリアまで電力を供給するための設備があり、その整備・保守・点検・修理のため、冬山での機動力が必要となるそうです。そのため、毎年冬山シーズンになると訓練を行っておられるのです。新人職員の方も参加されるため、センターは講師派遣という形でお手伝いさせていただいています。
しかし・・・、今年はあいにくの天候。雨が降る中の山中の訓練は危険と判断し、ゲレンデ下部で訓練を行いました。
午前中は山スキーの訓練から。山スキーは雪山では抜群の機動力を発揮します。スキー板に斜面を登るためのクライミングスキンをつけて登り、外して滑走します。ちょっとした下りでは外さないことが多いので付けたまま滑る練習をしました。
わかんじきを装着しての登下降や、移動中の休憩や悪天候時の一時避難利用のためのツエルト設営なども行いました。
午後は冬の山岳地帯の危険についてお話をさせていただきました。どのようなことが危険要素となるのか、どのように回避するのか。その一つに雪崩があります。まずは雪崩回避のための知識などのお話をさせていただき、それでも雪崩に遭遇してしまった時のためにビーコンを使用した雪崩埋没者の捜索訓練を行いました。
雪崩埋没者の捜索では、チームワークの良さがより早く要救助者を救出するポイントだと思いますが、皆さん常日頃からチームワークで仕事をされているだけあって、新入職員の方など捜索訓練が初めての方がいらっしゃるにもかかわらず、リーダーの指示に基づいて役割分担して捜索を進めることができ、コミュニケーションによる情報共有もばっちりで、とてもスムーズでした。
結局、雨は1日中やまずでしたが、実際の現場でもこんな日はあるのでしょうね。
スイッチ1つですぐ使える電気。あたりまえのように安定供給されている電力。その陰にはこのような方々の地道なお仕事があるのですね。