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「魚野川 沢登り」(「ビスタリ山ある記(31)」)

梅雨明けが遅かった今年の夏は、お盆にやってきた台風10号のあとは、気温が下がり、すでに秋の気配となりました。暑くないのは過ごしやすくていいが、寂しさも感じてしまいます。

私の山岳会では、夏は沢登りに出かけます。今年は山の日の連休に2泊3日で、群馬県境に近い山ノ内町と栄村を流れる魚野川です。アプローチはいくつかあるようですが、私たちは、野反湖に車をおいて、山を越えて渋沢ダムまで入ってここから入渓、魚野川を遡行して、小ゼン沢に入りさらに枝沢をたどって稜線の五三郎小屋に出て元の野反湖に戻るルートにしました。
8月10日 暗いうちに安曇野を2台の車で出発、3時間かけて野反湖に到着。ここから山を一つ越えて魚野川に下ります。昼過ぎに河原に降りました。ラーメンで腹ごしらえをして入渓。

水量は豊かです。釣りをしている人たちの小屋がけやテントを見ながら進みます。深いところは5mのロープを使ったり手をつないだりして渡ります。

私は3年ぶりの沢登りで不安がありましたが、腰まで浸かってやっと覚悟を決めました。この日は3時間ほど遡上して、目的の高沢出会い少し手前の右岸が広くなっているところに泊まることになりました。沢で泊るときは上流に雨が降って急な増水に気を遣います。沢が広くて水位が上がりにくい場所の高台を選びます。

8月11日 5時起床。せっかく乾いたのにまた水に入るのは抵抗がありますが、ほかに選択肢はありません。腰まで浸かる徒渉の連続が始まります。

高沢出会いを通過して穏やかな中流部を越えるとゴルジュ帯。最初は魚止ゼン。滝のことをゼンというようです。沢全体をせき止めるような滝です。

左端から水際のぬれた凹凸を拾って突破。

次々と滝が現れましたが、無事に越えて、小ゼン沢出会いについたのは5時でした。右岸の一段上がったところに岩小屋をみつけて小屋がけしました。

食事は生米を炊いたご飯と味噌汁とふりかけ。物質文明の中にどっぷりと浸かって生活しているとこのような生活はかえって新鮮です。夜中に少し雨が降りました。

8月12日 小ゼン沢に入って遡行を続けます。水量は大分少なくなって渡渉も足首程度。

地図でみると右岸の3つめの沢に入れば、稜線の五三郎小屋にでるのですが、実際の地形と引き合わせると分かりにくい。周囲の地形や標高などを勘案して感覚的には2つめの沢に入ることにしました。

子熊が顔を出して私たちを見つけると一目散に逃げていきました。母熊がいるので笛を吹いて我々の存在を知らせます。すっかり水量を落ちた沢を1時間半たどって、稜線にでました。五三郎小屋は今では使われてない様子でした。稜線に出て沢支度を解いて一安心。しかし3日目でみんなバテバテ。地図では野反湖まで3時間半のコースタイムを5時間半掛かって、やっと野反湖にたどり着きました。


3日間で24km、累積の標高差は1,600m。久々の山行としてはハードでした。

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