ども、山行ってきたのでご報告いたします。
日付:2019年8月2日(金)
時間:駐車場 8:00 登攀開始 10:30 登攀終了 14:50 取付き 17:00 錫杖沢出合い 17:55 駐車場 18:35
目的:アルパインクライミング
錫杖岳前衛壁「黄道光」ルートに登りたい友人Hが錫杖の岩に触っておきたいというので錫杖岳前衛壁「左方カンテ」ルートに登りに来た。両ルートは全くグレードが異なるが1ピッチ目は共通である。私も久しくいわゆる本チャンに行っていないので、ちょうどよいと考えて行った。このルートはアルパインクライミング初心者向けのルートという位置づけだったと思う。
錫杖岳左方カンテに登るのは、多分、10年以上ぶり。15年くらい前に初めてアルパインクライミングしたのもこの場所。その時は3ルンゼとセットで3ルンゼから本峰の手前まで歩いてから降りた。左方カンテの下降には注文の多い料理店を使って、いつか、ここを登りたいと思ったもの。
それから数年後に注文の多い料理店に来て、そのまた数年後にドロミテのトレーニングで左方カンテを登りに来て、それが10年くらい前か。そのまた数年後に1ルンゼダイレクトからのlittle wing敗退・・。昨年は雨の後に増水する沢を渡って壁、いや小さな滝になってた壁を見に来たっけ・・・。
Cleanupされてハーケンはほとんど抜かれていると聞いていたのでネットでカンニングして#0..3~#4までのキャメ(#3までと書いているところもあったが記憶では#4使えるはず)と#0.3~#3のほぼ2セットとそんなに持って行っても取れないはず・・・のヌンチャクをパーティで16本。過剰装備な気がするがアプローチも遠くないしピッチ数も多くないし、もってくことにした。
まず第1の核心は湿気と暑さ。錫杖沢出合いからとりつきまでは大分熱中症気味だった。「みず~」といいながら這い上がった。そういえば前からよく水を飲む方だったがケガして以来、もっと喉が渇くようになった気がする。
噂通りハーケンは各ピッチ1本残っているかいないか。代わりに各終了点にハンガー2本。その他ハンガーが「おっ」という場所にもたまーに打ってある。
1ピッチ目。フォロー。ルンゼ内の岩の塊をグングン登っていく。プロテクションはほとんどとれない。簡単なピッチだがちびにはまぁまぁいやらしい。
2ピッチ目。リード。やや細かくきざめて、ちびにもやさしい。
3ピッチ目。フォロー。ピナクルから、トラバースなのか右上なのか迷った様子だが直上に近い右上。
4ピッチ目。リード。バンド歩きからの凹角。が、ビシャビシャ。本来は回り込むようだが濡れたくないので、ちょっと段差の大きい岩を乗り越えてほぼ真っすぐ凹角へ。とりあえず乾いている岩の浅いクラックに無理やりカムを1本。この後はぬるぬるっぽいのでカムががっつり効く保証もないし、心配性なので・・・。登るためには岩にくっつかなくてはならないが、一瞬でパンツとTシャツべっちゃり。まぁ凹角なんでこんなもんかなと思いながら、足裏をパンツでふきふき登る。
5ピッチ目。フォロー。フェイスから階段状の岩。正直、このフェイスはあまり好きではない。ランナウト必至となった今はもっと好きじゃない。フォローでほっとする。とちゅう階段状の草付に迷い込みそうになったようだが岩がもろく正規のルートに戻れたようす。
6ピッチ目。リード。出だしの核心は見るからに悪そうでハンガーも打ってあった。パートナーにとっては多分ちょろい核心部だったが、これリードしないと今日つまんなく終わってしまう~。よって、「Aゼロするけど、ごめん」と宣言してから取付いた。シングルロープならともかくダブルで落ちる勇気なし。ムーブは何となく想像ついたがトライすることなくAゼロ。安全第一(笑)。そのあとも濡れてる部分を避けながら慎重に登ってチムニーを出て、続くフェイスを登って、カンテを超えて、スラブ。
その上にもルートはあったが実質の終了。休憩して下降することに。終了点から見える焼岳。
通常は注文の多い料理店を下降するが、本日貸し切りにつき同ルートを懸垂5回で下降。特に問題なかったが最初、パートナーとの意思疎通がいまいちで若干時間を要した。
いつも思うけどロープの回収は男手がいると楽ちんです。
以前はハーケンに導かれて登るルートだったけど、ハーケンが抜かれたことによって、自分で弱点を探してルートファインディングする必要があるし、プロテクションを取る場所も探す必要もある、とても面白いルートになったんだなという気がした。ちょっと初心者には難しくなったのでは??いや、単に私が弱くなっただけかもしれないが・・・。
恐れていた虫もほとんどおらず、楽しい山行でした。
帰りはまた核心の暑さと戦って、錫杖沢の出合いで水を1リッター以上飲んで、おまけに水浴びもして、降り始めた雨から逃げるように帰りました。駐車場の数百メーター手前で大雨が降り出し走って車に逃げ込んでなんとかスコールに合わずにセーフ。近頃のゲリラ豪雨には恐ろしいものがある。