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「船窪小屋・七倉岳」(「ビスタリ山ある記(29)」)

5月の19・20日で、七倉岳に登りました。

蓮華岳や針ノ木岳、裏銀座の烏帽子岳は何度もいくのですが、蓮華岳と烏帽子岳の間はこれまで一度も行ったことがありませんでした。

船窪小屋も、オーナー松沢夫妻の素朴なもてなしが人気でTVでも何度か取り上げられ一度行ってみたいと思っていましたが、なかなか機会がありませんでした。

残雪期の今は、小屋は営業していません。ホームページをみると冬期小屋を開放すると書いてありましたが、行ったことがないので最悪のことを考えてテントも持っていきました。メンバーは5人。荷物は一人15kgほどになりました。

大町から高瀬川にそって七倉まで車が入ります。ここから七倉沢にかかる橋を渡りすぐ右折して登山道に入ります。七倉沢はセンターの講習で何度も行きましたが、尾根を登るのは初めてです。

雪は消えて落ち葉で埋まった急な登山道を2時間ほど登ると1,500mの小さなピークに出ます。眼下に七倉ダム。コブシやオオカメノキの白い花の咲く尾根を辿ると傾斜は急になり、1,800m付近から消え残った雪が現れました。

1950m、「鼻突八丁」の看板があり急な雪壁になったのでアイゼン装着。樹林の中の30度を超える急な雪壁はミスがあるとアウト。緊張して登ります。

2,200mで樹林が薄くなり傾斜も落ちて視界が開けました。振り返ると高瀬川の対岸に唐沢岳、中腹には幕岩の大岩壁。昭和40年代、日本中のクライマーが新ルート開拓に集まったところです。その向こうには北鎌尾根と槍ヶ岳。青空に白い雪が映えています。ところどころ登山道が出るようになったのでアイゼンを外してもう一登りすると2,450m。

ハイマツの向こうに青い屋根の船窪小屋が見えました。ここまで7時間。小屋の建つ稜線は、360度の展望台です。

南に唐沢岳、燕、大天上から槍。西は東鎌尾根から裏銀座の山々、その更に西は薬師岳。五色ヶ原の大雪原から立山、剱。北に針ノ木、蓮華。東に安曇平を挟んで浅間。目をこらすと遠くに富士山。これほど見える場所は初めてです。

稜線に建つ小屋の周りの雪は消えて冬期小屋も問題なく使えます。風も無く暖かい小屋の前のテーブルで絶景の中、夕方まで宴会でした。

広さ8畳ほどで板張りの冬期小屋で快適な朝を迎えました。

外に出ると周りは全て雲海。その上に山々が顔を覗かせています。

朝食のラーメンを食べたあと、200mほど北の七倉岳に向かいました。小屋の名前は船窪ですが、山の名前は七倉岳で標高は2,509m。船窪岳は、蓮華岳から烏帽子岳に続く稜線上にあって標高は2,300m。雲海の中に隠れています。地図によっては一つ西の2,459mのピークを船窪岳としたものがあります。

七倉岳でしばし絶景を楽しんだ後、下山開始。少し歩いたところでライチョウのつがいと遭遇。すぐ目の前の雪の上を悠々とあるいてハイマツの下に入っていきました。

2,300mあたりから傾斜が増し、腐った雪でアイゼンが効きにくくなっていて緊張します。慎重に抜けて一安心。最後は落ち葉で滑りやすい登山道を抜けてやっと登山口につきました。下り6時間。

標高差は1,400mで大変な尾根と聞いていましたが、登りも下りも本当に大変でした。

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