昨日の座学に引き続き、今日は「花と昆虫」の
共生を学ぶ2日目。実地での観察会です。
講師は昨日に引き続き、隣の市立大町山岳博物館で
主に植物を専門に研究されている学芸員の千葉悟志さんです。
扇沢での開講式の後、いざ入山!
入山後まもなく、観察対象が。
ひとつめは、オニノヤガラ。
ラン科の植物です。
菌と共生している、こちらも不思議な植物!
このドアップは、ヨツバヒヨドリ。
アサギマダラが吸蜜しているのを見たことがある方も
多いかもしれませんね。
細長い筒状の花から、びよーんと伸びているのがめしべ。
これは、タテヤマウツボグサ。
口をあーんと開けたような花の形です。
近くで観察したこの3つだけでも、随分花の形なども違いますね。
それぞれの特徴や、どうやって虫を誘うか、
どのように受粉を手助けしてもらうかなどについてお話を伺いました。
そして、この鳥の頭のようなお花は、ヨツバシオガマ。
昨日の座学でもその「不思議」について話がありました。
皆さん、とても興味深く観察したり写真を撮ったり。
ハクサンフウロも、よく見かけますが、このように
ミクロの視点で見ることはなかなかありません。
じーっとのぞき込んでみると、花たちがいかに子孫を残すか
戦略的な進化の歴史にも想像が及んだり・・・。
見ごたえのある花が次から次へ、あまりにゆっくり
歩いてしまったので、目的地の「雪渓末端」に行けないのでは
無いかと思いましたが、健脚の皆さんにも助けられて・・・
雪渓到着!!
この周辺にはお花はありませんでしたが、雪の上を渡る
冷たぁ~い風は、炎天下の歩行後には最高のご褒美!!
その後、少し戻って沢沿いの少し遠めでしたが、
ニッコウキスゲ、オオバギボウシ、シモツケソウなどが
にぎやかに咲くお花畑を見ながら、それぞれの花の
「戦略」について話を聞くことが出来ました。
各地で夏を彩るニッコウキスゲや・・・
さわやかな薄紫色のオオバギボウシの花。
何気なく見ていた花たちも、昆虫にいかに花粉を
運んでもらったり、受粉してもらったりするために
進化を続けてきたか良く分かりました!
ちなみに、大沢小屋から雪渓までの間は、少し高巻きの
夏道を通るのですが、何か所か、岩場やザレ場があります。
十分に注意しましょう!
帰路、大沢小屋にて休憩。
今日は大町市市街地の気温はななんと34度超え!
山とはいえ、灼熱の中、5時間以上歩いた身には
小屋の涼しさがありがたかったです。
百瀬さん、いつもありがとうございます!
帰りも、引き続き観察を続けながらの下山です。
千葉さんにいろいろな説明していただきながら、皆で
観察しながら歩きました。
いつもはさっさと通り過ぎていた道端も、こんなに
植生豊かだったとは!と感動がありました。
予定通り15時頃、無事に扇沢に戻り、閉講式。
猛烈な暑さの中でしたが、皆さん誰一人バテることもなく、
楽しく有意義な1日を過ごすことが出来ました。
千葉さん、そして参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
また、山でお会いしましょう~!
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おまけ:今日習った、一番難しい長い花の名前は・・・覚えてますか?!
正解は・・・「ウラジロハナヒリノキ」でした!笑