4月25日(水)の夜に松本市のあがたの森文化会館で、「あなたの登山体力、知っていますか?」の講習を行いました。
前半は山のグレーディングと登山体力のグレーディングについての講義です。当センターアドバイザーの杉田講師が作成した山のグレーディングは他の県にも広がっています。
現在、長野県の他、岐阜・新潟・山梨・静岡・群馬・栃木が取り組んでおり、本州中央部の多くの山が評価されています。自分が登りたい山がどのくらいの体力・技術を要するのかを把握するための大きな手がかりになります。
講義では、登山者の力量と行きたい山の難しさとのバランスの話(力量が難しさに勝っていること)から、マイペース登高能力テストでの登山体力の把握の重要さが述べられました。
講習後半では、理学療法士の服部さんが登山に必要な体力について解説し、6種類の体力テストを行いました。
最初に立位体前屈で柔軟性を計り、次に閉眼片脚立ちでバランスをみました。歩く動作は体を片脚で保持しながら進みますが、登山では不整地を歩くため平坦な道路を歩くよりもよりバランスが大切になります。
次に片脚でのかかと上げや、同じく片脚でのイスからの立ち座りを行いました。急坂を登り下りする登山では十分な脚筋力が必要です。昨年度の長野県の山岳遭難事故の原因の1位は転倒・転落・滑落ですが、そこには脚筋力の不足が原因と考えられる事故もあります。
軽快にリズムよく山を下りる時に重要なのは敏捷性です。2人1組になり、イスを使っての座位ステッピング(脚の開き閉じをできるだけ速く行う)で脚を自分の思うように動かせるか確認しました。
最後に30秒間のイスの立ち座りで再度脚筋力を計って終わりました。30秒とはいえ、全力で立ち座りするのはなかなかきつい運動です。
体力テストの自己診断は、年齢別の評価表をみて行いました。普段運動習慣のある方は、年代別ではよい評価が出るようです。ただし、考えておきたいのは、山が要求する体力は年齢に関係がないということです。安全登山のためには、どの運動項目も少しでも上を目指したいものです。運動することにより、年代が高くなっても筋力は上昇すると言われています。
次回は三城牧場から美ヶ原までを実際に登って登山体力を把握する講習です。5月27日(日)に行います。ぜひご参加ください。