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アルプス研修 その2:氷河歩行と高度順化

シャモニ3日目の朝、ガイドとミディ駅で待ち合わせました。すでに多くの登山客・観光客が整理番号札を持って、自分の乗るロープウェイの出発を待っています。(下の写真は前日の夕方のものなので、ほとんど人はいませんが)

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ロープウェイを2本乗り継ぎ、エギュー・デュ・ミディ(3842m)の山頂駅に着いたのは8:00。日本で富士山に登る事前トレーニングをしていなかったので、きょうの登山の重要性にやや緊張していました。

 

 

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トンネルの中でアイゼンとロープを装着しました。ロープは環付カラビナでビレイループに付けるというガイドの指示でした。ロープはハーネスに直結ということをいつも心掛けている自分としては、少し不安を感じました。この日は基本的に春山装備で登山しましたが、靴は厳冬期にも対応できるものにしました。

 

 

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私が先頭になり、駅を出てやや細い雪の稜線を下ると、右手にヴァレ・ブランシュ氷河が広がっています。下りの時は、ガイドは客の後ろでショートロープを操作しています。下りが終わると、ガイドが先頭に立って歩きました。「ゆっくり歩いて」という指示。今日は高度に体を慣らすことが目的なので、景色を楽しみながら歩きました。

 

 

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いつも歩く針ノ木雪渓と同じはずなのに、やはり初めて足元に触れるヨーロッパの氷河は何か違いました。青い空、白い氷河、周りにはレビュファやボナッティ、デメゾンなどが登った山々。若い頃よく読んだ彼らの登攀記を思い出しました。特に、ガストン・レビュファは学生の時に映画『星にのばされたザイル』を観て感動しました。その時の心の高まりがもう一度自分にやってきたような気がしました。

 

 

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ゆっくりと歩き、時々休みながら進みました。1951年にボナッティとギゴが初登攀したグラン・カピュサン東壁(3838m)。レビュファが1956年にバケと初登攀したミディ南壁。あそこにも、ここにも、見事な岩壁そそり立っていました。ずっと眺めていたかったのですが、そうもいきません。

 

 

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我々と同じように、高度順化のために登山しているパーティーをいくつも見かけました。もちろんお互いにロープを結びあっています。氷河には筋状の模様がついている所があったりします。そのような箇所にはヒドン・クレバスがある場合もあります。踏み抜いたら、クレバスがずっと下まで開いていることもあります。(植村直己さんがマッキンレーの冬季単独登頂を目指した時、長い竹竿を体の横に付けてクレバスに対処していたのを思い出しました)

 

 

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クレバスが大きく開いている場所もありました。ロープがあっても、少し緊張します。

 

 

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今回歩いているヴァレブランシュ氷河側から、モンブランに登るルートもあります。しかし、その場合は雪の状態を見極めることが大切です。ここでは雪崩は夏の時期でも起きます。

 

 

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イタリアとの国境にある駅まで歩いた後、3連結のテレキャビンでミディ山頂駅まで戻りました。眼下に広がるアルプスらしい氷河と、そそり立つ岩の山々。高度順化もまずまずうまくいっている感触があり、満足しながらシャモニへと下りました。明日はいよいよモンブランへの登山です。

 

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