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「正月合宿は十石山」(「ビスタリ山ある記」(11))

明けましておめでとうございます。

年明けの週は比較的穏やかな日が続きましたが、ラニーニャ現象発生で

寒い冬になるとの予報通り、今週は寒波襲来で各地積雪のニュースが

相次いでいます。

安曇野は今のところ道路に雪はないですが、今夜から雪になるとの予報です。

皆様はどんな正月を過ごされたのでしょうか。

私は元旦は地区の氏神様に参ったあとTVで駅伝を観ながらゴロゴロ、

2日も箱根駅伝。3日はスキー、4日はトレーニングジム、5日初出勤。

ここまで暮れのTVで三浦雄一郎さんが言っていた「年寄り半日仕事」をまもって

半日ずつで力を蓄え、6日と7日は山岳会の冬合宿で十石山登山に行きました。

1月6日(土)。参加者は7人。

十石山は長野県と岐阜県の境にある乗鞍岳から北に続く稜線上にある山で、

標高2,525m。登山口は上高地に入る国道158号線の沢渡の先から

西に湯川谷を入った白骨温泉。かつての難路は今では整備されて快適です。

但し4駆に冬タイヤは必須。

一番上のホテル前まで除雪してあってそこから登山開始。

標高1,400m。道路を300mほど歩いてわかんを付けて雪の斜面に入ります。

 

スキーヤーが何人か先行しているようです。いきなりの急斜面でラッセルに

慣れない人もいて時間が掛かります。1,500m地点に立派な標識。

スキーヤーはここから左の尾根に取り付いていますが、我々は

夏道のある尾根に向かってもう少し進みました。

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(標高1,700m付近)

今回のルート、十石東尾根は1,500mから1,800mまでと、1,900mから2,100mに

急斜面があります。下見の時もこの急斜面に雪が多いとてこずると予想しましたが、

今日の雪は膝くらいまでなのでなんとか登れそうです。

先頭を交代しながら雪と格闘3時間で急斜面を抜けて1,800m台地にでました。

正月につけたと思われるスキーのトレースを辿るのですが、この辺りから雪が

モナカになって苦労は倍増。モナカとは表面に堅い雪の層があってその下は

柔らかい雪のことです。スキー板は面積が広いので壊れないのですが、わかんで

乗ると堅い雪の層が壊れて沈んでしまいます。ラッセルの大敵。

1,900mからはモナカに加えて急斜面。先頭はザックを置いて空身でしばらく

進んで2番手と交代、全員が通りすぎた後で下ってザックを回収し追いつく。

二度手間のようでもこれが一番効率的です。

標高が上がるにつれて気温も下がり小雪が舞い始め、時折風も出て来る中を

黙々と更に3時間でやっと傾斜が落ちて元気を取り戻しました。

時計を見ると2時半。計画では2,300mあたりまでと思っていましたが、

冬山では遅くも3時にはテント設営が原則。

明日の天気は良さそうなので挽回できるでしょう。

雪をならしてテント設営。標高2,130m。

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(写真は翌朝・快晴)

1月7日(日)。夜はずっと風の音がしていましたが新たな降雪は

あまりなかったようです。気温-11℃。

テントは残して7時出発。快晴で梢の先から太陽が昇ります。

荷物は行動食と飲み物、非常装備だけで昨日とは雲泥の差。

傾斜も落ちて樹林も低くまばらになって浮き浮きしてきます。

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(心浮き浮きのラッセル)

振り返ると八ヶ岳・南アルプス・中央アルプス。手前の鉢盛山と

南アルプスの境目に富士山がかすかに覗いています。右手に霞沢岳から

穂高連峰が真っ白に雪を纏って少し優しい感じに見えています。

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(左が八ヶ岳、中央にかすかに富士山)

寒気の雲の塊が通り過ぎると再び快晴。日差しが暖かい。

最高のラッセル日より。頂上稜線に出る最後の急斜面は途中からクラストして

ワカンの爪しか入らない。

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(十石山頂上からの乗鞍岳)

10:20頂上到着。飛騨の山々が目の前に拡がります。

遠くに白山。左には乗鞍岳の全貌。

右に笠ヶ岳から三俣蓮華、正面に吊尾根が美しい穂高岳。

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(十石山頂上。バックは穂高岳)

下りでは、登ってきた2人の登山者と1人のスノーボーダーとすれ違いました。

どちらも日帰り。

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(スノーボーダーには悪いが、パウダー斜面に思い思いのトレース)

昼前にテントサイトに帰着。

撤収して下りは2時間半で白骨温泉に到着。

天気に恵まれ静かな雪山のラッセルを楽しんできました。

12月に行った乗鞍岳は、2日目はバテでしまいましたが、

それから出来るだけ体を動かしていたせいか、今回は2日間

快適に行ってくることができました。

今年も一年よろしくお願いします。

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