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「S君が来た」(「ビスタリ山ある記」(14))

このところの夏のような陽気で、安曇野でも4月2日、桜が一気に開花しました。

例年なら4月の後半になってしまう大町でも4日に開花宣言。どうやら史上最速らしい。

S君が遊びに来ました。S君はネパールからの留学生で東京に住んでいます。

信州は寒いので暖かい格好で来るよう言ったがまったくの杞憂でした。

S君は、私が25年前にネパールのガンチェンポ峰(6,387m)に遠征した時、

リエゾン・オフィサーだったシェレスタ氏の甥です。リエゾン・オフィサーと

いうのは、登山隊のお目付役としてネパール政府から派遣される役人です。

当時20代だったシェレスタ氏は、その後王政が崩壊し民主制に移行する

激動のネパールで官僚としてたくましく生き残り、今では日本でいえば

中央官庁の局長級に出世しています。2013年、植林の手伝いでネパールに

行った時は、家に泊めてもらいました。そのシェレスタ氏から、甥のSが日本に

留学するからよろしくとメールが来たのが2年半前でした。

早速、東京に行ってS君に会いました。でもS君は、英語は話せるけど日本語は

まったくだめ。私のつたない英語ではまともなコミュニケーション出来ませんでした。

しかし私の英語力が上達するのは望み薄ですが、若いS君の日本語力が上達した

おかげで、今では電話で話ができる程度になりました。

これまでも何度か、長野に遊びにくるよう言ったのですが、平均所得が日本人の

1/50程度のネパールから来て、日本で学校に通うのは大変なことです。

3人で1部屋をシェアして朝7時から昼までバイト、午後は学校に行って日本語や

専門課程の勉強、その後10時までまたバイト、土日や長期休暇もバイトという

超大変な生活で、とても長野に遊びにくる余裕はなかったようです。

それでも昨年12月にはネパールに帰って結婚式を挙げました。

花嫁は中国で医者になる勉強中で、結婚式の後はそれぞれ留学先の国に戻るという、

私には理解できない行動パターンですが、ここでS君は卒業して時間も心も余裕が

出来たようです。

新宿から高速バスに乗って来ました。

松本インター前でピックアップし、私の家に1泊して安曇野の観光地巡りをしました。

安曇野は水と空気がきれいで自分もここに住みたいとさかんに言っていました。

DSC01952t

「松本城にて・S君」

花嫁が卒業するのは2年先で、それまで自分は日本で暮らしたいし、良い仕事が

見つかれば花嫁を呼んでその先も日本に住みたいとも。

日本の国は、外国人が日本に住むことに優しくありません。

学校を卒業したS君は、6ヶ月間の特別なビザの期間中にバイトではない仕事を

見つけなくてはなりません。

英語は堪能でも日本で仕事をするには、日本語のレベルが重要です。

人手不足とはいえ、外国人のS君に良い仕事が見つかるでしょうか。

頑張れS君! 応援しているよ!

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